1070 テレビの暴力 2019.4.1
フジテレビの「開局60周年特別企画」と銘打って、長編ドラマが放映された。
3月28日の午後8時からの3時間である。
原作、松本清張の「砂の器」、これは映画も、大成功、記憶に残っている。
だから、期待して、視たが、40分ほどで、腹が立って、止めた。
(1) まず、CMの量が、ハンパじゃない。
CMの内容も、騒がしくて下品である。
感覚では、CMの長さが全体の放送時間の半分ぐらいに思える。
(2)「完全新作」だと新聞のテレビ欄には、大仰な説明があった。
同じ日の午後1時からのNHk BSプレミアム映画の「山猫」は、
「完全復元版」と、わざわざ断っていた。
同じ週の「7人の侍」「用心棒」も、断らなくても、そうなのだ。
当日、NHKは、このフジテレビの特番を野次っていたのだろうかと、さえ思う。
ともかく、原作を、これほど無視、歪曲して良いのだろうか、
あくる日、あらためて、文庫本(上、下)を通読した。
昭和48年2月、小松伸六の、巻末の解説も熟読した。
あまりにも 今回の番組とは 違い過ぎている。
著者の松本清張は、あの別世界で、怒り心頭に発しているだろう。
「ギョエテとは 俺のことかと、ゲーテ言い」 どころではない、悪質である。
平成が、まもなく終わるというのは、こういうことなのか。
人心、地に落ち、職業倫理、腐敗するのか。
違うだろう。
(3)フジテレビの、先人、古典、著作権、などに関する感覚の貧困さに
驚嘆せざるを得ない。
原作とは何か、著作権とは何か、テレビ局のモラルはあるか、ひたすら不快だった。
言論報道機関として 恥ずべきである。
私自身は、テレビには、1年半 毎週 月曜日に関わった。
もちろん、初めてで、辛い、きびしい経験だった。
12チャネルで、「経済ホットチャネル」という番組。
野村証券が、はじめてテレビで広告を行った。
放映は、午後11時からの30分間 途中のCMは、1秒も入れなかった番組。
いずれ 詳しく、こここで、書きたい
それを、誇りに思う。