989 「赤とんぼ」 の歌 2017.11.18
1) 三木露風 作詞 山田耕筰 作曲 「赤とんぼ」
大正10年8月 樫の実 昭和2年1月作曲
夕焼け小焼けの赤とんぼ 負われてみたのはいつの日か
山の畑の桑の実を 小籠に摘んだはまぼろしか
十五で姐やは嫁にゆき お里のたよりも絶えはてた
夕焼け小焼けの赤とんぼ とまっているよ竿の先
この、作曲に対して、高名の文士が、盗作ではないかと書いたので、騒ぎになった。
それは、とっくの昔、収まったようだ。
最近、私は、この歌詞が、野口雨情の「十五夜 お月さん」に似ていることに気が付いた。
野口雨情 作詞 本居長世 作曲 「十五夜お月さん」
大正9年9月 金の船
十五夜お月さん ご機嫌さん
婆やは お暇 とりました
十五夜お月さん 妹は
田舎に貰られてゆきました
十五夜お月さん 母さんに
も一度 わたしは逢いたいな
この 二つの詩とも、ともに 母さんは 近くに居ない。
母さんの代わりであった、「ねえや」も 「婆や」も、いなくなった。
いるのは、十五夜 お月さん と 赤とんぼ、それに語りかけている。
もちろん、どちらかの詩がが、どちらかの詩に、影響を受けたとは、私は思っていない。
詩想 が、似ていると 思っただけである。
2) 穏やかな童謡 「赤とんぼ」は、1957年6月の立川基地拡張のための、砂川での強制測量反対運動で、全学連などの学生が、振り下ろされる警棒の恐怖に泣きながら歌った。
それに先立って、1955年、今井正、岡田英次、岸恵子、団伊久磨などによる、「ここに泉あり」で、
「赤とんぼ」は合唱された。
3) 私は、三木露風が生まれた、兵庫県竜野の里を訪ねたことがある。
1980年頃の秋だったと思う。
三木露風作詞 斎藤佳三 作曲 「ふるさとの」 大正5年3月 藤原義江の歌で紹介
ふるさとの小野の木立に 笛の音のうるむ月夜や
小女子はあつき心に そをば聞き涙ながしき
十年経ぬおなじこころに 君泣くや母となりても
そのころでも、龍野は、「ふるさとの」を想わせる、里山のたたずまいが残っていた。。
4) 北山修 作詞 加藤和彦 作曲
「あの素晴らしい愛をもう一度」
2番 赤とんぼの歌を歌った空は 何もかわっていないけれど
あの時 ずっと夕焼けを 追いかけて行った −−−−
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