939 マイナス金利 2016.1.29
日銀は、ついにマイナス金利政策を発表した。
今日1月29日の午後である。
日銀当座預金の2015年12月の平均残高は、252兆3310億円である。
そのうち、準備預金制度適用先の預金が230兆5690億円ある。
このうち8兆7960億円は、法定準備預金として、日銀に納めていなければならない。日銀は、これには利子を払わない。
ところが、銀行は、法定準備額を超過して、日銀に大量の預金をしている。
その額を超過準備額というが、なんと221兆7730億円である。
1年前は、153兆5570億円であった。
銀行は、貸出先がないから、0.1%の利子でもよいから、日銀に預けているのだ。
クロダノミクスは、たまりかねて、この超過準備にマイナス金利(預ける側が金利を払う)を科すことに決めたのだ。
実際には、日本銀行への当座預金は、+0.1%、ゼロ%、−0.1%の
3種類に分けられる。全部がマイナス金利ではない。
明日の新聞には、いろいろ解説されるだろう。
これは、アベノミクスの失敗を意味するものと、私は思っている。
とりあえず銀行は、超過準備を貸し出しに向けるのでなく、国債を買い上げるという行動に、今日の午後は動いたという。
銀行の貸出は、こんなことでは増えないだろう。
いっそ、政府は、ここで借り換え国債を100兆円か200兆円発行して、銀行に買わせて、国債の利子負担を低下させておくのが、良策ではないかと、私は思っている。