860 近頃ゴルフ事情(2) 2014.3.30
3月27日、日経夕刊のトップ記事
「ゴルフ場1000億円 大手のアコーデイア 運営に特化
28日夕刊、「ゴルフ場売却を発表」
29日 朝刊 運営に軸足、海外も視野。
3連発で大きく、報道していた。
どういうことか、整理してみたい。
27日の夕刊で日経に抜かれた(抜かせた?)翌28日、アコーデイアは6月末の株主総会に提出する案件として発表。
「当企業グループの保有ゴルフ場133コース(対象ゴルフ場)のうち、当初計90コースを、2014年8月上旬(予定)を目途に、組成されるSPCに移管(匿名組合出資)」
これを、28日、29日、30日の日経、ロイター、東洋経済などの補足によると、次のように要約できる。
1)SPCに移管を受けた90コースを基に、BT(ビジネストラスト信託型のフアンド)を組成し、それをシンガポール証券取引所に上場する。
このBTの25%はアコーデイアが保有し、残り75%は一般の投資家が売買できる。
2)移管(売却)によって1117億円を得る見通し。
{売却損益 ?}
有利子負債約1100億円の削減を図るほか、今回、450億円の自己株式の公開買い付けを行う。
3)売却後は、BTがアコーデイアに運営を委託する。
プレー料金はアコーデイアを通じて投資法人に入り、BTはそこから運営委託料をアコーデイアに払う。
アコーデイアは、今回の施策を説明している。
「肥大した資産の効率化
会計上償却の対象とならない土地やゴルフ場等の資産増加に対して、資産効率化を実現。
循環型ビジネスにおける外部成長の実現
当社が他のゴルフ場を取得し、バリュウアップした後、SPCに売却するとともに、売却したゴルフ場の運営業務を受託することにより、循環型ビジネスを展開。」
この件にたいして私の関心は、こういう点だった。
1)安く土地を取得しておき、ゴルフ場を造成して販売し、CAPITAL GAINを取る。
ゴルフ場のバブルも他の不動産バブルと共通点は多いだろうが、こういう処理方法が、今はできるのだ。
2)ここに至るには、外資が、常に関わっている。
アコーデイアでは、GSが活動し、すでに引き揚げた。
3)ゴルフは、また盛んになるかも知れないが、個人がゴルフ会員権を購入するブームは起こらないであろう。
このアコーデイアのビジネス・モデルは必然性がある。
4)だが、今回、売却した90のゴルフ場は、維持できるのだろうか。
アコーデイアは、千葉県だけでもゴルフ場が11カ所、練習場が6カ所ある。
これらを閉鎖するとき、誰がどうするのだろうか。
成田空港からの離着陸のとき、眼下のおびただしい数のゴルフ場をみる。
ゴルフ場がつぶれた後の山の跡地は、どうなるのだろうか、ときどき考えるが、よくわからない。